「移動の可能性を、すべての人に。」をコンセプトに、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金が移動の可能性を広げる新たな取り組みを応援するMobility for ALL。
コンテスト形式で進行しているMobility for ALLには、一次選考を経て17チームが参加しています。10月15日(土)・16日(日)には岡山国際サーキットにて実証実験が行われました。
実証初日の10月15日。岡山国際サーキットは、どのような様子だったのでしょうか。緊張と高揚感が入り混じった1日をレポートしていきます。
普段のレース会場と同じ環境での実証実験
初日は、まず4チームの実証実験がスタート。選考委員も順番に各チームのソリューションを確認していきました。
その他のチームも会場入りする等、多くのプロジェクトが同時進行していた1日でした。最高気温は約26℃と、太陽の光が痛いと感じるほど天候に恵まれ、夏が戻ってきたような暑さのなかでの実証実験でした。
10月15日は「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第6戦 『スーパー耐久レースin岡山』」の予選会当日。レース会場ならではの高速で車が通り過ぎる音やエンジン音、実況の声等が響き渡っていました。
レース観戦ができる客席のすぐそばにはイベント会場があり、ステージや展示ブース等、様々な催しが楽しめます。岡山国際サーキットは、1日中盛り上がりを見せていました。
Mobility for ALLの実証実験は、普段のレース会場と同じ環境で行われていたのです。
会場で最終調整し、二次選考に臨む
10月15日の実証実験会場は主に、客席とイベント会場でした。
会場に到着チームから実証実験を始め、細かな調整をしたのちに選考をしていきました。
客席では「会場内の移動」と「レースの臨場感」を実証
客席で実証実験を行っていたのは、岡山放送株式会社・LOOVIC株式会社・株式会社コンピュータサイエンス研究所。
また翌日の実証に向けて準備や実験をしていたのは、Not Impossible・ピクシーダストテクノロジーズ株式会社・株式会社電通・エヴィクサー株式会社です。
客席での実証実験の特徴は二つありました。一つは、客席周辺や客席からイベント会場への移動を誰でも可能にすること。もう一つは、目の前で繰り広げられるレースの様子を誰もが体感できるようにすることでした。
「会場全体の音が想像以上に大きい」等、実際にレースが行われるからこその気づきがあったチームも。選考のギリギリまで、プロジェクトの魅力を引き出そうと試行錯誤しているのが印象的でした。努力の甲斐あって、終了後には手応えを感じているチームが多かったようです。
イベント会場では「最新技術の活用」と「トイレ問題の解決」
イベント会場では、Mobility for ALLの紹介ブースがありました。各チームがどのようなプロジェクトを進めているのか、パネルで紹介している場所です。
そしてMobility for ALLのブース横には、もうひとつテントが並んでいます。ここで実証実験と選考を行っていたのは、数理研究所と九州工業大学の「すぐ創る課」です。
ここのブースの特徴は、最新技術を用いていること。モニターがずらりと並ぶテントの中では、今までとは違う方法で誰もがレースを楽しめたり、会場の様子が分かったりするプロジェクトが進められていました。
また少し離れたところでは、株式会社アーキネットが実証実験と選考を行っています。移動可能なトレーラーハウスをトイレ専用として使えるようカスタマイズし、外出の可能性を広げる提案をしました。
選考委員は各プロジェクトで多くの質問をし、今後の実現可能性を想像しているようでした。
おわりに
印象的だったのは、会場に来て初めて出てきた課題もあるなか、どのチームも楽しみながら実証実験を行っていたことです。
レース会場の雰囲気を自ら楽しむことで、「誰もがレース会場を楽しめるようにするにはどうしたらいいのか」を最後まで模索していたように思います。リアリティを持って、自身のプロジェクトを実用化に向けて進めているようでした。
緊張感はありつつも、達成感や安堵等から笑顔も多く見られた1日。10月15日を境に、実用化に向けてさらに動き出した各チームの今後が楽しみです。
Mobility for ALL 実証動画
実証実験の様子を、動画でも紹介します。