誰もがレースを楽しめる触覚伝導システム。皮膚をキャンバスとして、芸術的・感情的な表現を行う新しい方法“The Art of Haptics”

Music Not Impossible

聴覚に関係なく、誰もが一緒にモーターレースを楽しむことができるようになればよいと思いませんか。

Not Impossible」では、最新鋭の触覚伝導システムが感覚的な体験を提供してくれるプロジェクトを進めています。

ベスト型の「Music Not Impossible」を身に着けることにより、競技のスリルや技術、ドライバーや他のファンとの交流、そして爽快なエンジン音を楽しむことができます。

ライブイベントを盛り上げるための触覚技術

Music Not Impossible

Music Not Impossibleは、軽量のベストを始め、手首と足首にバンドを装着します。そして各所の振動によって、音楽イベントでは音楽を、今回のレースではエンジン音等を体感できるのです。

健常者も同じベストを装着することによって、“同じイベントを体感する”状況で、聴覚障がい者との垣根がなくなります。

どのようにプロジェクトを進めているのでしょうか。
担当者に聞きました。

聴覚レベルに関係なく全ての人が楽しめるように

Music Not Impossible
Mobility for ALLで取り組むプロジェクトの概要を教えてください。

Not Impossibleのプロジェクトは、ライブイベントを盛り上げるためにハプティクス触覚技術)を使って聴覚障がい者と健常者のコミュニティを統合し、共有体験を提供することを目的としています。

ハプティクス

人に機械的な刺激を力、振動、動き等を伝え、皮膚の感覚(触覚)をフィードバックする技術。スマートフォンのホームボタンや、ゲームコントローラー、映画館等にも導入されている。

どのような人のどのような課題を解決するプロジェクトですか。

このプロジェクトは、振動を通じて聴覚障がい者がよりよいライブ音楽体験をするための方法として、2014年に始まりました。

以来、聴覚レベルに関係なく全ての人が楽しめるように、あらゆる種類の芸術体験(音楽・映像・インスタレーション(現代美術)・モーターレース・演劇等)に対応できるよう、機能を拡張しています。

プロジェクトを立ち上げた経緯について教えてください。

私(ダニエル・ベルカー)は、このプロジェクトの開始当初から参加しています。 耳の聞こえない人たちがライブ音楽イベントに参加できるようにするためでした。

コンサートに行くのは社交的な側面もありますが、魅力的な体験をする機会でもあります。耳の聞こえない人がその“体験する機会”を失っていることがわかったので、これを提供することにしました。

その後、著名人の推薦(レディー・ガガ、ファレル・ウィリアムス等)や重要な賞(エジソン賞、インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞、トライベッカ映画祭、Da Vinci Arts Alliance等)を受賞するようになったのです。

2018年、Zappos(ザッポス)とAvnet(アヴネット)の支援により、技術を全く新しいレベルに到達する機会を与えてもらい、本当に成熟したポイントに技術を到達させることが出来ました。

触覚による発見と驚きを提供

Music Not Impossible
プロジェクトを進める上で苦労した点はありますか。

このプロジェクトは、技術を遥かに超えて、一体感とインクルージョン(全体をまとめること)を促進する方法となったのです。

苦労した点は、私達が提案していることが斬新であるために参考事例がないことと、これがビジネスになるのかという懐疑的な見方をされることでした。

しかし現在では、多くの案件が舞い込み、スケールアップの要望も出てきています。

10月15日・16日の岡山国際サーキットでは、どのような検証を行う予定ですか。

スリリングなレース体験に新たな要素を加え、触覚による発見と驚きを提供することで、人々を魅了することができるかを検証する予定です。

体感者にどのようなことを「感じて」ほしいですか。

身体全体をプラットフォームとして、感動や興奮を呼び起こす可能性を感じてほしいと思っています。

プロジェクトの技術、サービスの導入で、社会にどのような影響がもたらされると考えていますか。

聴覚に関係なく、誰もが共有できる感動を提供することができると考えています。

おわりに

Music Not Impossibleは、もともとライブ音楽体験をするために考えられたものでした。それを今回は、岡山国際サーキットで開催されるレース観戦のために使います。

聴覚障がい者の人達が、Music Not Impossibleの振動等で音楽の生演奏を満喫している姿も素敵ですが、本格的なレースを体験している姿はどんなものになるのでしょうか。

当日はプロジェクト担当者も、Music Not Impossibleを身に着ける聴覚障がい者、健常者の方も感動を味わえるかもしれません。

MNIを着た皆さん

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